星野 卓也 氏
株式会社マクガフィンエンタテインメント 取締役
「『ストーリー』の考え方」
シナリオライター出身の私が、映画のシナリオ技術をビジネスの世界に持ち込み、テレビショッピングの構成でヒット商品を数多く産み出し、その後に「ストーリー技法」と名付け、更に企業/商品のブランディングなどにも転用しはじめて、もう10数年が経ちます。
これまでは、テーマに対してのビジネスストーリーのクリエイティブを、私自身がすべて創ってきました。しかし、ここ数年、別のニーズが聞こえてくるようになりました。私の「ストーリー技法の考え方」をレクチャーしてほしいという依頼です。
そこで企業研修を始めるようになったのですが、販売員や企画職や営業職に特に効果があるようで、おかげさまで好評をいただいています。
ストーリーというものは、大きく4つの要素で構成されています。――①テーマと②キャラクターと③スジと④世界観。ビジネスの場合、テーマは「商品」や「サービス」などと置き換えられるでしょう。テーマが固定された時、それに合わせた、キャラクターとスジと世界観を考えるということがまず基本になってきます。
その手法――「どんな人が、どういう流れで、どんな背景の中で、どんな雰囲気/気分を求めて購買にいたるのか」という「やり方」は、取り立てて珍しいことではなく、皆さんが既にこれまでも考えてきていたことだったりするのかもしれません。
私のは何が違うのかというと「考え方」が違うのです。映画やドラマでは、全体の中でたった1シーンしか出ない人物でも、その人がその年齢ぶん生きてきたという奥行きや厚みや哲学が、その佇まいなり台詞なりから感じさせられなければなりません。そのために特殊な掘り下げ方で考えます。ここでいう人物を、ビジネス界では商品/サービスに置き換えると、その印象の残り方が全然異なるというわけです。たとえば、そんな「考え方」が今までのビジネス界では、ほとんどなかったものなのです。
このように、(インフォメーションとしての)情報が飽和している現代では、「やり方」は簡単に拾えても、「考え方」を正しく理解していないために、充分な効果が出せていないものって結構ありますよね。同じ「理解した」と思ったことであっても、「自分ゴト化できていないと再現できない」というのと、おそらくは同じ論理だと思います。
私の役目は、そういったことを、企業研修や大学講師やまちづくりといったなかで、「考え方」を伴ったうえで伝え、受講者の皆さんのパフォーマンスをワンランク上げることなのだと意識して、日々の仕事に臨んでいる次第です。
星野卓也
- プロフィール
- 星野 卓也
株式会社マクガフィンエンタテインメント 取締役
日本大学芸術学部映画学科では、映画構造理論を専攻し、卒業後は、テレビゲーム、テレビドラマの脚本、テレビショッピングの構成に携わる。 映画理論を基にした独自のストーリーマーケティングを紐解いたビジネス書『30分で5億売った男の買ってもらう技法がヒット。以来、講演/企業研修などにも従事するようになる。その後、エンタメ企業最大手エイベックス・ホールディングスで映画の企画開発プロデューサー、マーケターを務める。 近年では、コンサルタントとして「ストーリー技法」を使って、企業ブランディング、商品開発、ワークショップ型研修、まちづくりなどを手掛けている。
田岡 純一 氏
有限会社ジェイシップ代表取締役
「ポジティブスパイで自分も周囲も、そして社会を元気に!」
ビジネス現場を改善する最も手短で効果的な方法、自分自身をそして周囲の人を元気にする方法
それが「ポジティブスパイ」です。
よく周りを見てください。
「皆が売り上げが伸びない中、同じような条件のあの営業所が売り上げを伸ばしている理由はなんだろう?何をしてるんだろう?」「なぜあのチームは皆な楽しく仕事をしているんだろう?」「あの支店だけが残業が少ない理由はなんだろう?」
こんな疑問を持ちながら、その要因を実践できる行動レベルまで掘り下げて探ってみてください。うまくいっていることには必ずその要因があります。
チームや組織のパフォーマンス改善につながるヒントが見つかると思います。
その要因を見つけ出す試みを私は「ポジティブスパイ」と呼んでいます。
人に対しても同様です。その方のいいところを見つけて褒めたり、自分自身の参考にしていけばいい関係が築けます。逆にマイナス面に目を向けると、ネガティブな情報ばかりが増幅されて認識されていまい関係が悪化します。
ニュースを見てもネガティブな内容が多くうんざりしてしまうことが多いのも確かです。でも世の中には、身近で役立つ素晴らしい事例も沢山あります。是非ポジティブな側面に目を向け、そこから実践に役立つ行動に移せるレベルのヒントを見つけ出す「ポジティブスパイ」にトライしてみてください。
田岡 純一
- プロフィール
- 田岡 純一
有限会社ジェイシップ代表取締役
大手建材メーカーにて3年半設計課に勤務した後、新たなキャリアを目指し、日本マクドナルドに転職。営業部において競合打倒プロジェクト、早期店舗開店プロジェクト、トータルカスタマーサービスプロジェクトに参加。ユニークなプロジェクト活動を通じ、CS、ES活動、パートアルバイトの活用、店長の早期育成に豊富な経験と実績を積む。
その後マクドナルドのハンバーガー大学にてプロフェッサー、副学長を歴任後、トレーニング開発室室長に就任。就任後店舗オペレーションシステム改善のためのグローバルチームに日本マクドナルドの代表として参加。マスタートレーナーの資格を取得し、8名のカントリートレーナーを育成しプログラムの改定と導入を行う。
2005年6月末で日本マクドナルドを退職、その後人財開発支援をミッションに有限会社ジェイシップを起業。現在はジェイシップの代表取締役として、企業における社内トレーナー養成、各種研修の実施、教育プログラム開発支援を中心に活動している。
得意分野:コミュニケーション、チームビルディング、ファシリテーション、リーダーシップ系研修を特に得意とする
講師から一言:まずは目の前の場を活性化し、そこから元気の輪を広げていきましょう!
「鎧を脱いだら勝負には負ける」
2015.9.24
朝8時半、東京丸の内で気になる事があった。通勤途中のサラリーマンのほとんどがネクタイをしていないのだ。数えてみたら、数千人の中でたった3人しかいない。その光景に違和感を持ってしまった。丸の内と言えば、メガバンクや保険会社など日本の名だたる金融機関が集まっている場所である。それなのに、ほぼ全員がノーネクタイ。世界の金融街であるロンドンのシティ、NYのWall Stではこんな光景はあり得ない。弁護士、公認会計士、金融マンなど、プロフェッショナルと言われるビジネスマンは、暑くてもマナーとしてスーツとネクタイを纏ってビジネスに臨んでいるからだ。一流と言う自負があるからこそ、そのための鎧を纏っているのだ。それは、医者が患者の前で白衣を脱がないのと似ている。
近年、猛暑が続き省エネの観点から、日本政府はクールビズでノーネクタイを推奨している。これは間違っていない。
しかし、それに単純に従って鎧を脱いでしまうのは残念だ。グローバルで戦うにはその土地や場面に応じた鎧が必要だ。どこでもプロフェッショナルと誇れるビジネスパーソンであるために、自分で考え、行動する力を養ってほしい。
そしてそれはスーツとネクタイだけではない。現在、日本のビジネスパーソンの国際競争力は世界で27位である。そこで纏うべき鎧が「自分の価値を最大化するための」教養・知識・スキルである。人材開発のプロとして、自らも実践し、それらを的確かつ効果的な手法で継続的に提供していきたい。
池田 哲平
岩下 直樹氏
「NHK大河ドラマから学ぶ」
2015年のNHK大河ドラマは『花燃ゆ』吉田松陰の妹がヒロインとして活躍する物語。
すでに放送も折り返しを過ぎて後半に入っているが、視聴率が伸び悩んでいる。8月の時点で平均視聴率12、02%。大河ドラマは2008年の『篤姫』24、44%をピークに年々下がっている。
テレビドラマとしての出来映えが良いかどうかは分からないが、私は毎回楽しみにしている。このドラマの中で、吉田松陰が自分自身の『志』を探求する場面で、「人は何故学ぶのか・・・」という大きな難問に自問自答しているシーンがあった。「私たちは、いったい何のために学ぶのか」「ただ、学んでいるだけでよいのか」「命をかけて成すことは何か」など、毎回、私の胸に突き刺さるようなメッセージの連続だった。そして、放送されて間もない頃、私は山口県萩市の松下村塾を訪れた。吉田松陰直筆の手紙に触れながら魂が揺さぶられるような体験をした。しかし、周りの人に、このような話しをしてもあまり関心を示してくれなかった。
明治維新から、もうすぐ150年。江戸時代から明治、大正、昭和と、日本の近代化を強烈に押し進めて来た先人たちの物語から、私たちは何を学ぶべきなのか。現代人はもっと謙虚に歴史から学ぶ必要があると思っている。沢山の書物に触れるのは大変なこと。せめてテレビドラマだけでもよいから、学びを深める機会にして欲しいと願っている。
社員教育の仕事をしていると、お客様から様々な依頼がある。変わったところだと、若手社員に「宴会の席での乾杯の仕方を教えてあげて欲しい」「締めの挨拶ができない」といった、本来は現場の先輩が教えてあげるべきことだったり、65歳まで「ほどほどに頑張ればいい」と思っている中高年社員の研修をどうするか・・など、問題は様々だ。そして、この二つの問題を引き起こしている要因に目を向けると、面白いことに隣人達の無関心や無責任が浮かび上がってくる。立場や役職ではなく、先に生まれた者は、あとから生まれた者に対して教えてあげてことがあるはず。宴会で気になる言動をした後輩がいたら、嫌われてもよいからお節介をしてあげること。また、要領が悪くて段取りが出来ない年上の部下がいたら、全身全霊で指導をしてあげるような気概を持つことも、役職者の大切な仕事だと思う。
毎日家に帰ったら、自分が興味のあるネットやYouTubeだけを見るのではなく、たまにはNHKの大河ドラマから学んで欲しい。
岩下 直樹
- プロフィール
- 岩下 直樹 (いわした なおき)
株式会社 アスクリエイション 代表取締役
1960年神奈川県生まれ。1985年プラス株式会社入社、営業マネジャーを経て1992年に人事教育部へ異動。その後、ASKUL事業の立ち上げ支援や全社教育体系の見直しなどを行う。2005年には、PHP研究所主催のコーチングカンファレンスに出席。藤巻幸夫氏や神戸大の金井教授と共にパネラーを務める。NLPマスタープラクティショナーとして、ビジネスの広い分野に活用できる「相手を動かすコミュニケーショントレーニング」を得意分野とする。
著書:なし
得意分野:相手を動かすコミュニケーション、プレゼンテーション、マネジメントに活かす問題解決
講師から一言:自分の意志で、意図を持った明日を創ろう。
堀田 孝治氏
「全体は要素に分けられるが、要素を足しても全体にはならない!?」
今からさかのぼること十数年前、本社の人事部に教育担当として異動した30代の私は、それまで支店の人事担当として問題意識を抱いていた「全社の教育体系」の再構築にチャレンジをしました。
・求められる人材像を明確にする
・その人材に必要な要素(能力・スキル・知識)を明確化する
・それぞれの要素を強化する「時期」と「部門」、」そして「方法」を明確化する
・それらを、関係部門ときちんと共有する
というアプローチで四苦八苦しながら組み立てられていった新しい教育体系は、最難関の部長の6時間に渡るフィードバックにもなんとか耐え、無事に実行に移されることになりました。
(たしかに以前よりは良くなったが、何かが・・・違う・・・)
計画を実行に移して1年ほど経った私の中に、ぬぐいきれないそんな気持ちが生じてきました。
そんなとき、「まじめな雑談」の中である先輩が何気なくおっしゃったこの一言が、そのモヤモヤとした問題をあぶりだしてくれたのです。
「全体は要素に分けられるけど、要素を組み立てからといって、必ずしも全体にはならないんだよね。」
「・・・・・・」
(そうか・・・サッカーで活躍している選手、例えば中田選手を「走力」「キック力」「ドリブル力」「精神力」といった要素ごとに分けて把握することはできる。しかし、「走力」「キック力」・・・といったそれらの力を「要素ごと」「別々」にひとつずつ同じレベルまで強化したからといって、その選手が中田選手のようなサッカーができるようになるかといえば・・・・・)
やっと自分の「失敗」に気づいた私は、
「実際の仕事では、スキルだけ、マインドだけ、思考力だけ、コミュニケーション力だけ、知識だけ、そんな部分的な力だけを使う場面なんてないですよね? だから『それらを統合して使う力を具体的に伸ばせるような研修』って、ないんですか?」
といった「問い」をさまざまな研修会社や専門家にぶつけ、「そんなことができる研修」を目の色を変えて探しはじめました・・・・・・しかし、探しても探しても・・・・見つかりません。
「私はそれまで、『自分に合う仕事』をずっと探していました。でもある時やっと気づけたんです。『自分に合う仕事がしたければ、自分で創ればいいじゃないか』と。」
そんな時、私より年下で、大手の企業から独立して研修会社を設立していた社長さんから発せられた、この一言が、私にある「決意」をさせてくれることになりました
あれから十数年、私は独立し、
「7つの行動原則」
の研修をさまざまな企業に伺って行う、という日々を過ごしています。
堀田 孝治
- プロフィール
- 堀田孝治(ほった こうじ)
クリエイト・J代表
1989年中央大学法学部卒業後、味の素㈱に入社。開発提案型営業、冷凍食品の開発マーケティング、支店の人事・総務、本社人事部での採用・教育業務を担当後、広告部マネージャーを経て2007年1月に独立。企業研修、講演、執筆などの幅広い分野で活躍している。
売手と買手、前線と後方、新人と課長、挫折と回復、受講者と人事教育担当といった様々な立場を経験したことによる豊富な実務経験談(特に失敗談)と、当意即妙でユーモアのある“ソフトでロジカル”“わかりやすく、かつ熱い”ファシリテートには定評がある。
著 書:「生まれ変わっても、この『仕事』がしたい」
得意分野:セルフリーダーシップ、セルフOJT、思考・感情・行動のマネジメント
講師から一言 : 「自分自身が自分のリーダーとなり、自分が望むキャリアを具現化する」
「瞑想で思いやりに満ちたチームを創る」
2015.6.18
私は不思議な御縁から12年前に2日間の瞑想のワークショップに参加し、それ以降、ほぼ毎日瞑想をしています。
その効果を実感しつつ、数年前までは、
「やっぱり、普通の人からしたら瞑想って怪しいよねぇ。」
と思っていたのですが、
ここ数年、「マインドフルネス」というキーワードで瞑想研修が有名な企業に取り入れだされていますね。
やはり、その理由の一つとしては、グーグル社が本社のエンジニアに向けて大々的に研修を提供し続けている、
というのが大きいでしょう。
いずれにせよ、瞑想という人類の智慧、平和へのツールが世の中に認められて広がっていくのは嬉しい限りです。
瞑想の効果は様々ですが、グーグルの人材育成担当が書かれた書籍によると、「自己認識を深めることでEQ(Emotional-intelligence Quotient、感情の知能指数)を高め、そのことで不安感などいわゆるネガティブな感情を低減し、幸福感などのポジティブな感情を増加させる。
その結果、
「個人やチームの感情的なトラブルを回避し、思いやりに満ちたチームを創造していける。」
というのが挙げられます。
個人的に瞑想を継続している中で、「幸福感」が自然と増えてくる、というのは非常に実感があります。
今以上に研修という形で瞑想が認知され、幸福感とともに、世の中に貢献していけるビジネスパーソンが増えると、社会は今より平和で幸せになっていくことでしょう。
瞑想実践家として、そうなることを願ってやみません。
瞑想と言っても難しいものではありません。
簡単なものだと、ただ目を閉じて、自分の呼吸に意識を向け続けるだけ。
たったの2分からでOK。
あなたも今、試してみませんか?
より詳しく知りたくなった方は、
今回の「推薦図書」をお読みください。
河野 雅
「女性活躍を推進するカギ」
2015.5.12
最近、ダイバーシティ推進の施策から「女性活躍のための組織開発」や「女性リーダー育成」のご相談をいただくことが多くなってきております。
ご相談の多くは人事評価やワークライフバランスの制度などの「仕組み」は整っているのに、女性のリーダー登用が遅々として進まない、という問題です。
・管理職として女性としてのモデルがいないからではないか?
・管理職になること自体に魅力がないのか?
・女性自身が、管理職での働き方ができないと思っているのか?
・男性上司側の意識の問題ではないか?
・逆に女性を優遇しすぎではないか?
など、どの会社でも同じような声が聞こえます。
それらの声に対して企業側は一つひとつ対応しており、外部からサポートさせていただく身としては、とても心強く感じています。
しかし、時に何か足りない?と感じることもあります。
それは、そもそも会社として「なぜ、ダイバーシティ推進が必要なのか?」という言葉が経営トップや管理職側から語られていない時です。社会の要請からとい事情はわかりますが、なぜ私達の会社ではダイバーシティ推進が必要なのでしょう。
人は変化を恐れる生き物です。
できれば変わりたくない、そのままで生き延びたい…。
しかし、会社は変わることを要請している。
そもそも経営トップや管理職側から「どんな会社を創っていきたいのか?」「それによって、会社、従業員は何が得られるのか?」という目的、さらに「やらないことで、何が失われてしまうのか?」ということを丁寧に説明していく必要があります。このような会社が取り組む「目的」がないと、ダイバーシティ推進は一過性のものとして終わり、残念ながら効果が出ない結果となってしまいます。
ダイバーシティ推進の成功の鍵はこの「目的」と実践のための「複合的な施策」、そしてそれらを「継続していくこと」だと思います。
私自身は、女性に限らず各人がそれぞれの能力を発揮しつつ、その組織の中で活きるには?という点にとても興味があります。引き続き実践家としてそこをサポートしながら、一人ひとりが活きる組織づくりに関わっていきたいと思います。
女性活躍から始まっているダイバーシティ推進が拓く未来に希望を抱き。
折口みゆき
潮田 滋彦氏
「自分の頭で考える力」は、一生の宝物
私は企業(や自治体など)向けの研修講師として26年以上活動しています。
さまざまな人々との出会いの中で感じるのは、意外なくらい「思考停止になっている人が多い」ということです。
たとえば、次のような言葉を使っているとき、思考停止状態になりがちです。代表的なものをご紹介します。
・難しいよね…
・まぁ、いいんじゃない?
・それは仕方ないよ…
・そんなの知ってるよ!
・うちは特殊だから…
・今までは、そうやって来たんだから…
・○○さんが言っていたから…
・忙しくて、無理だよ…
研修の場でももちろんそうですが、日常のさまざまな場面で使っているのではないでしょうか。
思考停止になっていると、それ以上考えなくなります。そして条件反射的な対応をしてしまったり、効果的ではない行動をしてしまうこと(例えば、間違った情報を鵜呑みにして広めてしまう、など)につながるのです。
思考停止の状態をこえて、自分の頭で考える力を身につけることは、一生の宝物になります。日常の言動の質が変わることが実感できるでしょう。
では、そのためにどうしたら良いでしょうか…。
まずは、自分が思考停止していることに気がつくことがすべてのスタートになります。
そして…。
今回の「推薦図書」の中に、その答えがあります。
潮田、滋彦
- プロフィール
- 潮田 滋彦(うしおだ しげひこ)
トゥ・ビー・コンサルティング株式会社 代表取締役
学習院大学経済学部卒業。東芝エンジニアリングで海外プラント営業を経験後、人材開発センターにて社内・他企業向け教育トレーナー、研修プログラムの開発、コンサルテーションに従事。社内研修はもちろんのこと、外部企業からの指名も多く、引っ張りだこの売れっ子講師。ビジネスパーソン向けの研修で、10000時間以上の講師登壇・のべ10万人以上への指導実績をもつ。内容の面白さ・具体性と実践的な研修運びの上手さに定評がある。
著書:「知恵の素」「速習!シンプルに文章を書く技術」
講師から一言:「参加型の研修で、学びを実感しましょう。」
「イノベーティブ企業のリーダーとリーダーシップ開発を探る」
2015.2.23
グローバル競争に今後益々さらされる日本企業にとって、自社の独自性発揮、競争力強化につながるイノベーションの推進が重要課題となっています。
私は、ATD(※)という非営利団体の日本支部でリーダーシップ開発に関する調査研究事務局を務めており、2012年以降、イノベーションを継続して実現する日本企業の実態を、企業の実務家、専門家の人たちと探っています。
私たちは、2年間の調査研究を通じて、継続してイノベーションを実現する企業に求められる要件について、次のような仮説をたてました。
・「トップのリーダーシップ」~経営トップがイノベーションを率先垂範している
・「組織文化」~イノベーティブ文化醸成のための価値観を根付かせる活動、文化の擁護者(チャンピオン)が存在している
・「戦略」~イノベーション戦略が全社に明示されている
・「組織・人材マネジメント」~イノベーティブ人材、組織内のダイバーシティを組織全体で一定比率以上に維持し、チャレンジやイノベーションを評価、賞賛する仕組み、運営が行われている
・「バリューチェーン/業務オペレーション」~社員が自律的にイノベーションを促進する仕組みを地道に継続している
また、イノベーティブ企業で求められるリーダー像については、並外れた顧客志向で、世の中に高い価値を出すという理想を掲げており、ゼロベース思考で多様な視点やアイディアをつなげている、という特性が浮かび上がってきました。
今年は、上記の仮説を検証するために、日本企業対象にアンケート調査を行います。
ご興味のある方は、ぜひアンケートにご協力ください。ご協力くださった方には、調査結果の要約を共有します。
アンケートは、以下のサイトから回答をお願いします(5月15日まで)。
https://questant.jp/q/Q77WKGV6
【問い合わせ先】ATDジャパン リーダーシップ開発委員会事務局 ld@astdjapan.com
(※)Association for Talent Development:人材開発・組織開発に関する世界最大の非営利団体で、設立は1944年。米国ヴァージニア州アレキサンドリアに本部があり、米国だけでなく、世界100カ国以上に4万人以上の会員を持っています。
永禮 弘之
「3rd placeを作る」 by 場活師 泉一也
2014.12.15
”場”を英訳してみてください。
placeやfieldは場所という「モノ」としての意味がありますが日本語の場という言葉に含まれた「コト」は存在しません。
場を仕切る、場を取り持つ、場を作る。
場には人が介在し、ドラマがそこに生まれます。
日本は”現場主義”が強みです。KAIZENもOMOTENASHIも現場から自然に生まれています。五七五という短い言葉で「場」を表現してしまう「俳句」という詩の文化を持っています。
世界はその現場主義である日本の文化を見習おうとしています。
ただ、その本家の日本では現場力がどんどん落ちています。
コンピュータやロボットによる自動化、合理化により感受性が落ち、品質の問題や心の問題が起こっています。
「膝を交えて」「腹を割って」という言葉から場がイメージされるように、現場力を上げるには対話の場が必要です。
今、そういった場の価値が見直され「3rd place」という概念が広がっています。【家と職場の中間に位置づけられる“第三の自分の居場所”】
個人として対外的な交流の場を持つことで、新たな人間関係や価値観の拡大・メンタル面の安定に必要な場所】と定義されています。
日本では居酒屋がこの3rd placeの役目を担ってきましたが、今は居酒屋が3rd placeではなくなりました。
年代を越えて職を越えて出会い語り合う居酒屋はどんどん減っていないでしょうか。
現場を大切にするなら、職場でこの3rd placeを作る時代になりました。
30年前は誰も買わなかった水を現代の人は買うように、場にお金をかける時代、つまり場活をサービスとして買う時代になったのです。
泉 一也